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2024.03.01

ホテル・旅館経営

ホステル経営とは?ホテルやゲストハウスとの違いや開業に必要なこと

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ホテルとホステルは言葉としては似ていますが、宿泊施設としての特徴は大きく異なります。ホステルは比較的小規模で、新規参入しやすいのが特徴です。

また、カプセルホテルやゲストハウスなど他の小規模宿泊施設と共通点もありつつ、ホステル独自の特徴も持っています。

この記事では、ホステルの概要、経営のメリット、他の宿泊施設との違いについて詳しく解説します。

ホステルとは

ホステルとは

ホステルとは、宿泊する部屋やトイレ・風呂などを共用することにより、安い料金で宿泊ができる施設のことです。旅館業法では「簡易宿泊営業」に分類されています。

簡易宿泊所とは、宿泊する場所を多人数で共用する設備を指し、ホステル以外にもカプセルホテル、民宿なども該当します。

ホステルは元々「旅行者用の滞在施設」を意味する言葉として使われており、1920年代になると宿泊室を共用して交流を図るユース・ホステルが、ドイツを中心に整備されました。

現在では、ユースホステルの形態をとっている宿泊施設を、一般的にホステルと呼ぶようになっています。

ホステルのビジネスモデル

ホステルのビジネスモデルは、低料金で宿泊サービスを提供して、低コストで運営することを基本としています。

シティホテルやビジネスホテルよりも安い価格で宿泊費を設定し、ターゲットはバックパッカー、予算を重視する旅行者、長期滞在者などです。

ホステルでは、1つの部屋に多くのベッドを配置することにより、面積あたりの利益率を上げ、フロント業務や清掃業務などを兼務することで人件費を抑えることができます。

また、アメニティは必要最低限のものだけを揃え、追加はオプションとして有料で提供することにより、さらに利益率を上げることも可能です。自炊を促すことができれば、食事に関わるコストも抑えられます。

ホステルの利益構造

ホステルの売上のほとんどが宿泊費によるもので、そこから設備維持費や人件費などを差し引いたものが利益となります。ホステルの利益構造は、比較的単純であることも特徴です。

一般的なホテルとは異なり、ホステルは宿泊部屋を共用して利用するため、限られたスペースであっても多人数が同時に宿泊できます。宿泊費は低く設定できますが、稼働率を高めないと利益が出ない点には注意が必要です。

ホステルに必要な経費としては、設備の維持管理費、人件費、光熱費、リネン・消耗品費などが挙げられます。アメニティを有料サービスで提供すれば、経費削減とともに利益率アップにも繋がるでしょう。

ホステルの特徴

ホステルの特徴

ホステルの基本的な特徴として、以下のことが挙げられます。

  • 共用スペースがある
  • 客室タイプは選べる
  • キッチンスペースもある

ここからは、これら3つのの特徴について解説します。

共用スペースがある

ホステルには、宿泊部屋以外にもリビングなどの共用スペースがあります。この共用スペースに宿泊者が集まって交流することも、ホステルを利用する魅力の1つです。

フリーWifi、パソコン、テレビ、雑誌などを用意しておけば、宿泊者の利便性も良くなり、宿泊者同士による情報収集や情報交換もしやすくなるでしょう。

また、スタッフと宿泊者が交流して地域の文化や風習を伝えたり、観光スポットなどの情報を伝えることも、ホステルならではのサービスです。

客室タイプは選べる

ホステルは不特定多数と同じ部屋で泊まるというイメージですが、最近は個室が用意されているホステルもあります。

シングルだけでなく、ダブルやファミリールームなどが選べる施設もあり、交流はしたいけど寝るときはプライベートを大切にしたいという宿泊客に人気です。

一方、複数人が共同で宿泊するスペースは、低価格で利用できるメリットがあります。また、個人用のロッカーも設定されているため、安心して貴重品を保管できます。

キッチンスペースもある

多くのホステルでは共用できるキッチンスペースが設けられており、宿泊者が自分で料理をして食事をすることができます。ホステルの中には、普段なら使えない珍しい調理器具を準備するなどして、宿泊者に自炊を勧めているところもあります。

宿泊者が自炊をすることは、食費の節約に繋がりますし、ホステル側にとっても食事に関わるコスト全般の削減というメリットがあります。

また、宿泊者同士が料理をしたり、食事を共にしたりして、情報交換や交流を深められることもホステルの良い部分です。

ホテルとホステルの違い

ホテルとホステルの違い

ホテルとホステルの大きな違いが「宿泊料金」です。一般的なホステルの場合、1泊3,000円ほどで宿泊でき、安い施設だと1泊1,000円程度で利用できるところもあります。

インバウンドや若者を中心に、宿泊費用を抑えたい旅行者が増えてきており、価格面からもホステルへのニーズは高まっています。

その他にも、ホテルとホステルの違いとして、以下のことが挙げられます。

  • アメニティなどのサービス
  • 宿泊者同士の交流
  • 貴重品などの安全性

ホテルでは当たり前のように準備するアメニティですが、ホステルではアメニティを準備しないことでコストを抑え、その代わりに宿泊費を安く設定している施設もあります。

また、宿泊部分以外にもリビングやキッチンなどの共用スペースがあるため、宿泊者同士が交流しやすいこともホテルとの大きな違いです。

また、ホテルでは部屋の鍵付きが当たり前になっていることに対して、ホステルでは共同部分が多いため、貴重品の管理などを常に気をつけるなどの違いがあります。

ホステルとカプセルホテルの違い

旅館業法上では、ホステルもカプセルホテルも簡易宿泊所に分類され、満たすべき構造上の条件は同じです。しかし、両者には宿泊形態に違いがあります。

ホステルは、基本的に同じ空間に複数人がまとまって宿泊する形をとっています。一方、カプセルホテルは、宿泊客が個々に区切られた空間で寝泊まりするという形です。

また、ホステルもカプセルホテルも「トイレや風呂は共用」となることは、お互いの施設に共通しています。

ホステルとゲストハウスの違い

ホステルとゲストハウスの違い

ホステルとゲストハウスの違いには、施設規模やフロントの有無などが挙げられます。ただし、ホステルとゲストハウスの違いは、法律で明確に定義されているわけではありません。

ホステルは、キッチンやリビングなど共用スペースがあり、24時間対応のフロントが設置されている施設です。一方、ゲストハウスは個人や家族で経営するような小規模な施設であることが多く、ほとんどの施設でフロントは設置されていません。

どちらも、宿泊料金が安い、トイレやバスルームは共用、無料アメニティがない、宿泊客同士で交流しやすい、といった点が共通しています。

ホステルとドミトリーの違い

ホステルとドミトリーの違い

ホステルは「宿泊施設の形態」の1つの種類であり、ドミトリーは「部屋の形態」を指す言葉です。ドミトリーという言葉はラテン語の”dormitorium”から来ており、元々は「寝る場所」を意味していました。

現在、ドミトリーという言葉は、ホステル、ゲストハウス、民宿などで、他人と共用することを前提とした部屋といった意味で使われます。宿泊部屋以外にも、キッチンやリビングなども含まれます。

また、格安で泊まれる相部屋の施設のことを、ドミトリーと呼ぶこともあります。

ホステル経営のメリット

ホステル経営のメリット

ホステルを経営するにあたって、以下のことがメリットとして挙げられます。

  • 低コストで開業できる
  • 収益性が高い
  • ターゲットが明確である
  • インバウンドを受け入れられる
  • 独自の顧客体験を提供できる

一般的なホテルに比べて、ホステルに必要な初期投資は安く済むため、開業費用を抑えることができます。

宿泊部屋をドミトリー形態にすれば「面積あたりの宿泊客数」を多くでき、さらに有料でアメニティなどを販売することで、より収益性を高めることも可能です。

さらに、ホステルを利用する宿泊客は、バックパッカー、宿泊費を抑えたい旅行者、長期滞在者など、ほぼターゲットが明確化しているためマーケティング施策も打ち出しやすいと言えます。

AirbnbやBooking.comなどの予約サイトに掲載することで、インバウンド集客ができる点もホステル経営のメリットです。

また、ホステルは地元スタッフとの交流や地域文化との触れ合いを通じて、独自の顧客体験を提供することができます。この点を上手く活用して、他の宿泊施設との差別化を図ることもできるでしょう。

ホステル経営のデメリット

ホステル経営のデメリット

ホステルの経営にはメリットだけでなく、以下のデメリットも存在します。

  • 価格競争が激しい
  • 季節性などの変動要因がある
  • セキュリティやプライバシーへのリスクがある

ホステルは、開業にかかる費用を抑えられるため参入ハードルが低く、競争が激しくなりやすいです。宿泊費だけで差をつけることは難しいため、独自の顧客体験を提供することにより差別化を図るのも良いアイデアでしょう。

また、ホステルは旅行者を受け入れることが多いため、季節やイベント時期によって宿泊客数が変動しやすくなります。宿泊費が安い分、宿泊客の減少は死活問題になりかねません。いかにして長期滞在者を呼び込むかも、ホステル経営を安定させるポイントです。

複数人で部屋を共用するため、通常のホテルに比べて「セキュリティ」や「プライバシー」の面でトラブルが起きる可能性は大きくなります。このようなトラブルは評判や口コミにも大きく影響するため、万全の対策をとっておく必要があります。

ホステルの開業に必要となる許可

ホステルの開業に必要となる許可

ホステルを開業するには、以下の法律に従い許可を得る必要があります。

  • 建築基準法
  • 旅館業法
  • 消防法

それぞれ許可の取り方や申請手続きの方法が異なるため、ここから詳しく解説します。

建築基準法

ホステルを営業するにあたって、建物の用途が「ホテルまたは旅館」でないとホステルとしては利用できません。既存の建物をホステルとして利用する際は、用途変更の申請をする必要があります。

用途変更をする際、対象となる面積が200平方メートルを超える場合に限り、市町村役場に「確認申請」をしなければなりません。

また、以下の点は「建築基準法に違反」することが多い項目です。あらかじめ注意しておきましょう。

用途地域1種住居、2種住居、準住居、近隣商業、商業、準工業地域でなければ
旅館・ホテル等の営業はできない
(別途、地区計画、建築協定等で規制されている場合もあり)
接道敷地が道路に4m以上接していなければならない
耐火建築物3階以上に旅館・ホテル等の用途がある場合、
耐火建築物(鉄筋コンクリート造など)でなければならない
防火区画旅館・ホテル等とその他の用途部分の区画が必要(異種用途区画)
3階以上に居室がある場合、階段部分の区画が必要(竪穴区画)
間仕切壁準耐火構造等の間仕切壁を、小屋裏又は天井裏まで設置しなければならない
排煙設備居室には排煙設備の設置が必要
非常用照明居室及び避難通路には非常用照明の設置が必要
【出典】神戸市「既存建築物を旅館・ホテル等に用途変更する場合の注意点」

旅館業法

旅館業法とは、旅館業を営業する際の基本的な「許可基準」を定めた法律で、旅館業は以下の4つに分類されています。

  • ホテル営業
  • 旅館営業
  • 簡易宿所営業
  • 下宿営業

ホステルは簡易宿所営業にあたるため、保健所に営業許可の申請をして立入検査を受けなければなりません。

許可を受ける際は、以下の基準を満たす必要があります。

  1. 客室の延床面積が33平方メートル(宿泊者数が10人未満の場合は3.3平方メートル×宿泊者数)以上であること
  2. 階層式寝台(二段ベッドなど)を置く場合は、上段と下段の間隔がおおむね1m以上あること
  3. 換気設備、窓、照明、防湿、排水の設備が整っていること
  4. 十分な規模の入浴施設があること(付近に公衆浴場がある場合を除く)
  5. 十分な規模の洗面設備があること
  6. トイレが整っていること
  7. 都道府県の条例がある場合は、その基準に適合していること

【出典】厚生労働省「旅館業法施行令」

ほとんどの自治体で申請前の「事前相談」を求められるため、許可申請をする前に都道府県の旅館業法担当窓口に相談をしましょう。

消防法

ホテルやホステルなど宿泊施設の耐火性能や防火設備は、消防法により厳格に規定されています。

消防法上、ホステルには以下の対策が必要です。

【防火管理】
・統括防火管理防火管理者の選任、消防計画の作成
・届出、訓練の実施(+定期点検制度)管理者が複数の場合:統括防火管理者の選任、全体の消防計画の作成

【消防用設備等の設置】
・維持消火設備: スプリンクラー設備、屋内消火栓設備、ガス系消火設備など
・警報設備: 自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備など
・避難設備: 誘導灯、誘導標識、避難器具

【防炎規制】
じゅうたん、カーテン等について燃えにくい防炎品を使用
【出典】総務省消防庁「消防法令における主な規制の概要」

防火・防炎対策ができたら、管轄の消防署に申請して立入検査を受けます。検査で問題がなければ「消防法令適合通知書」が発行されます。

ホステル経営のコツ

ホステル経営のコツ

ホステル経営を黒字化するには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 無人チェックイン
  • ホテル管理システムを活用
  • 従業員が複数の役割を持つ
  • 価格設定や変更(季節変動などに合わせて)
  • ツアーの企画、パートナーシップ構築
  • 独自の顧客体験を提供

無人チェックインを導入することで、フロント業務ないしフロントにかかる人件費を抑えることができます。とくに夜間帯などは、無人チェックインがあると便利です。

また、ホテルの予約管理、予約サイトの管理、売り上げ管理などの業務は、紙媒体やエクセルなどを使わず、ホテル管理システムを導入することで一気に効率化ができます。

CheckInnのようなオールインワンのシステムだと、導入コストも抑えられ、利便性も高まるでしょう。

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他にも、フロント業務と清掃を兼務するなど、1人の従業員が複数の役割をこなすことで人件費を節約することができます。

さらに、季節やイベントに合わせて宿泊価格を柔軟に変更し、ツアーの企画や周辺施設とのパートナーシップを結ぶことで集客がしやすくなります。

地域出身のスタッフや地元民との交流を通じて、ホステル独自の顧客体験を提供することができれば、SNSや口コミなどで評判が広がるでしょう。

ホステルは利益率を高めやすい宿泊業態(まとめ)

ホステルは利益率を高めやすい宿泊業態(まとめ)

ホステルでは、共用スペースを利用して複数人の宿泊客を受け入れることができるため、設備投資をせずとも利益率を高めやすい業態と言えます。

しかも、ホステルは設備投資や初期費用を安く抑えられるため、宿泊業の中では新規参入がしやすい施設の1つです。

しかし、1人あたりの宿泊単価が安いため、継続して稼働率を上げていくことが必要です。施設独自の顧客体験を提供することで、リピート客増加や口コミによる新規顧客獲得に繋がります。

有料でアメニティを提供することも、収益性を高めるためには良いアイデアでしょう。

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