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2026.03.30

ホテル・旅館経営

ADRとは?ホテル用語の意味・計算方法とOCC・RevPARとの違いを解説

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ADRとは、ホテルの客室が平均していくらで販売されているかを示す指標で、客室収益の水準を把握する際に使われるホテル用語です。

客室料金は曜日や季節、予約経路によって変動するため、「自社のADRは適切なのか」「OCCやRevPARとは何が違うのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

料金戦略や売上管理の判断には、客室単価の正しい理解が重要です。本記事では、ADRとは何かという基本的な意味や算出方法、日本の平均や推移について解説します。OCC・RevPARとの違いも整理し、ホテル経営でどのように活用できるのかを分かりやすく紹介します。

ADR(客室平均単価)とは

ADRとは、ホテル業界で用いられる指標の一つで、客室1室あたりの平均販売単価を示すホテル用語です。日本語では「客室平均単価」と訳されます。

ホテルでは部屋タイプや販売経路によって料金が日々変動しますが、ADRを算出することでそれらを平均化して価格帯を把握できます。

ADRの役割・メリット

ADRを算出することで、ホテルの客室単価の水準や収益性を客観的に把握し、料金戦略や売上管理に役立てられます。継続的に確認していくことで、現在の客室料金が市場水準と比べて適切かどうか、価格設定が売上にどの程度影響しているかも判断しやすくなります。

たとえば、前年同月のADRや競合ホテルの平均と比較すれば、自施設の客室単価が相対的に高いのか低いのかが見えてきます。

さらに、曜日別やシーズン別にADRを分析すれば、繁忙期の価格引き上げや閑散期の販売施策など、具体的な料金調整や販売戦略の立案にも役立てられます。

こうしたADRの活用は、需要予測にもとづいて価格や販売数を最適化するレベニューマネジメントの実践において、中心的な指標のひとつとして位置づけられています。

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ADRの算出方法と計算式

ADRは、一定期間の客室売上高を、実際に販売した客室数で割って求めます。

【ADRの計算方法】

ADR=客室売上高 ÷ 販売客室数

<Aホテルの例>

  • 1日あたりの販売客室数:65部屋
  • 1日あたりの売上の合計:65万円

(計算式)650,000÷65=10,000

したがって、AホテルのADRは1万円になります。

計算に用いる客室数は、販売可能な総客室数ではなく、宿泊で実際に利用された客室数である点には注意しましょう。また、ADRは1日単位で算出する指標であるため、計算には「1日あたり」の客室売上合計金額を用います。

日本の平均ADRと推移

日本の平均ADRは全国値が公的に発表されているわけではありませんが、一部地域の観光統計から日本のADRの傾向を把握できます。

公益社団法人京都市観光協会の統計では、京都市内主要ホテルの2024年の平均ADRは2万195円となり、コロナ禍前の2019年の1万5,610円を大きく上回り過去最高を記録しました(出典:公益社団法人京都市観光協会)。

沖縄県振興開発金融公庫の調査によると沖縄県でも客室単価は上昇しており、シティホテルは1万5,682円、リゾートホテルは2万9,031円といずれも前年比4~6%程度の増加となっています(出典:沖縄県振興開発金融公庫)。

こうしたデータから、地域ごとに差はあるものの、コロナ禍後の観光需要回復やインバウンド(訪日外国人旅行者)増加を背景に、日本の平均ADRは近年上昇傾向にあると考えられます。

ADRとOCCやRevPARとの違い

ホテル運営の重要指標には、ADRのほかにOCCとRevPARがあります。

それぞれの指標の概要と計算方法は下表のとおりです。

指標概要計算方法
ADR(客室平均単価)売れた客室の平均価格客室売上合計 ÷ 販売客室数
OCC(客室稼働率)販売可能な客室のうち売れた客室の割合販売客室数 ÷ 販売可能客室数
RevPAR(販売可能客室収益)販売可能な客室1室あたりの収益ADR × OCC または 客室売上合計 ÷ 販売可能客室数

OCC(客室稼働率)との違い

ホテル業界におけるOCCとは、全客室のうち、実際に販売・利用されている割合を示す指標です。日本語では「客室稼働率」と訳されます。

OCCは、一定期間に実際に利用された客室数を、販売可能な客室数で割って求めます。

【OCC(客室稼働率)の計算方法】

OCC=宿泊利用された客室数 ÷ 販売可能客室数

<Aホテルの例>

  • 総客室数:80部屋
  • 1日あたりの販売客室数:65部屋

(計算式)65÷80=0.8125

したがって、AホテルのOCCは81.25%です。

宿泊料金を下げれば、比較的容易にOCC(客室稼働率)を上げられるでしょう。ただし、値下げした分だけADR(客室平均単価)は低下します。

逆に、ADRアップを狙って価格を上げると、予約件数が伸びずOCCが低下する傾向があります。

このように、ADRとOCCはトレードオフの関係になりやすく、単純な値上げ・値下げではどちらか一方しか改善できません。ホテルの収益を最大化するには、需要の変化を見極めながら単価と稼働率の両方を高水準に保つ、バランスの取れた価格設定が重要です。

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RevPAR(販売可能客室収益)との違い

RevPAR(レブパー)とは、ホテルの販売可能な客室1室あたりの売上を示すホテル用語です。日本語では「販売可能客室収益」や「販売可能な客室1室あたりの利益」などと表現されます。

RevPARの値は、二通りの方法で求められます。

【RevPARの計算方法】

  • RevPAR=ADR(客室平均単価)×OCC(客室稼働率)
  • RevPAR=売上の合計金額÷販売可能な客室数

<Aホテルの例>

ADR:1万円(650,000÷65)

OCC:81.25%(65÷80=0.8125)

(計算式)10,000×0.8125=8,125

したがって、AホテルのRevPARは8,125円です。

このように、RevPARは空室分も含めた全客室ベースで収益を測る指標です。ADRが「売れた客室の単価」を示すのに対し、RevPARは「売れなかった客室による機会損失」も反映されるため、ホテル全体の収益パフォーマンスをより正確に把握できます。

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ADR・OCC・RevPARの活用にはPMS導入が効果的

ホテル経営において、ADR(平均客室単価)・OCC(客室稼働率)・RevPAR(販売可能客室収益)という3つの重要指標を効果的に活用するには、PMS(宿泊管理システム)の導入が有効です。

手作業の表計算では各指標をリアルタイムに連動させた分析が難しく、対応が遅れがちです。PMSを導入することで、ADR・OCC・RevPARのデータを自動集計できれば、常に最新の数値を根拠とした迅速な経営判断が可能になります。

OTAや自社サイトなど複数チャネルからの予約情報もPMSで一元管理できるため、チャネル別のADRや稼働状況をひと目で把握可能です。

こうしてデータが一箇所に集約されれば、特定の担当者だけが数値を把握している状態を避けられるため、属人的な管理からの脱却にもつながります。

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ホテル経営におけるADRの活用方法3選

ADRは単に「現状の客室単価を知るための数値」ではなく、収益改善に向けた意思決定を支える実践的な経営指標です。正しく活用することで、価格戦略の精度を高め、競合に対して優位な立ち回りができるようになります。

ここでは、ホテル経営においてADRを実際に活用できる場面を3つに整理して解説します。自施設の収益改善に直結する内容なので、現状の価格設定や販売戦略と照らし合わせながら読み進めてみてください。

収益推移の把握と需要予測

ADRを継続的に記録していくと、「いつ単価が上がりやすいか」「どの時期に落ち込むか」という傾向が把握できます。

たとえば、昨年の同じ時期にADRがどう動いたかを参照すれば、「この時期は価格を上げても予約が入りやすい」「この時期は稼働率を優先すべき」といった判断がしやすくなるでしょう。

さらに、イベント開催や祝祭日・天候などの外部要因とADR・OCCの変動を照らし合わせることで、需要が動く理由まで分析できます。

曜日別の宿泊動向や予約経路(OTA、自社サイトなど)ごとの実績データを組み合わせて分析すれば、平日と週末の差やチャネル別の客室単価の違いまで考慮した精緻な需要予測が可能になります。

市場相場の把握と適正価格の設定

ホテルの宿泊価格設定が妥当であるかを判断するため、競合施設と比較する際にもADRは活用できます。

まずは、OTAで競合エリア内の宿泊価格を検索し、エリア内の相場価格を把握しましょう。相場価格と自施設のADRを比べて、高すぎる場合には予約が入りづらくなり、OCCが下がります。逆に安すぎても、今度はRevPARが下がります。

自施設のADRを相場と比較しながら適切な水準に調整することが、安定した収益につながります。

また、相場価格は、繁忙期・閑散期平日・週末・近隣イベントの有無などによって常に変動しています。競合の価格動向を定期的にチェックし、市場の動きに合わせてADRを柔軟に見直す習慣をつけることが大切です。

マーケティング活動の評価

ADRは、実施したマーケティング活動の効果を評価するための基準として活用しましょう。

たとえば、高グレードの客室や高価格プランのプロモーションを行った後にADRの上昇が確認できれば、施策が客室単価の引き上げに貢献したと評価できます。

反対に、リニューアルや新サービスの導入後もADRに変化がなかったり下がったりしている場合は、プランの内容や打ち出し方を見直す必要があると判断できます。

このように施策の前後でADRを比較するだけで、マーケティング活動が客室単価にどう影響したかを客観的に把握できます。

ADRを上げる5つの方法

ADR(客室平均単価)はホテルの収益力を示す重要指標であり、稼働率(OCC)と並んで売上最大化には欠かせません。特にコスト高騰が続くなかでは、単に客室を安売りして稼働率を上げるだけでは利益を確保できない場面も増えています。

そこで、ADRを向上させる5つの具体策を紹介します。

  • 付加価値の強化で「高くても選ばれるホテル」になる
  • 直販比率を高めて「手取りのADR」を増やす
  • 「読めない日」の価格設定で収益を逃さない
  • 価格の見せ方とプラン構成を見直す
  • 宿泊人数と部屋タイプの組み合わせを最適化する

付加価値の提供や直販の強化など、戦略的に取り組むことで「高くても選ばれる」ホテルを目指しましょう。

付加価値の強化で「高くても選ばれるホテル」になる

ほかのホテルにはない魅力を打ち出し、「高くても選ばれる」存在になることは、ADR向上の第一歩です。

たとえば、客室からの眺望・露天風呂付き客室・地元食材を使ったオリジナルの朝食メニューなど、競合と単純比較できない体験価値を整備することが第一歩です。アメニティひとつとっても、地域の特産品を取り入れたオリジナルグッズや高品質なスキンケア用品を用意するだけで、宿泊者の印象は大きく変わります。

また、チェックイン前の手荷物預かりや、地元観光スポットへの送迎サービスなど、宿泊体験の前後まで含めたきめ細かい対応も差別化につながります。

実際、宿泊者の評価・口コミが高いホテルほど、料金が多少高くても選ばれやすい傾向があります。付加価値の提供が高評価・口コミの蓄積につながり、ブランドへの信頼が生まれることで、「多少高くてもここに泊まりたい」というリピーターの獲得、ひいてはADRの向上に直結します。

直販比率を高めて「手取りのADR」を増やす

ADRをアップするには、実際に「ホテル側に残る利益」を意識することも重要です。

同じ客室単価でも、OTA経由の予約では一般的に8~20%程度の手数料が発生するため、直販比率を高めれば、実質的なADR(手取り額)が改善します。

そのためにまず取り組みたいのが、自社サイトの予約導線の強化です。たとえば、公式サイト限定の特別な特典(早めのチェックインやウェルカムドリンク、ポイント還元など)を設けることで付与し、ユーザーに自社サイトから予約する動機を与えましょう。

さらに、SNSやGoogleビジネスプロフィールと連動して「今すぐ予約」できる環境を整えることも大切です。InstagramやFacebookから公式予約ページへと誘導したり、Google検索で自施設を見つけた際に自社サイトへのリンクが表示されるよう設定したりすることで、ユーザーがワンクリックで予約に進める導線をつくれます。

こうした施策で直販比率が上がればOTA手数料分が利益に上乗せされるため、結果的にADR向上と同等の効果が得られます。

「需要が読めない日」こそ強気の価格設定で収益を逃さない

需要予測が難しい「読めない日(開催が未確定のイベントがある、大型連休の直前・直後など)」は、あえて強気の価格を設定しておきましょう。これはレベニューマネジメントの一環であり、まずはギリギリの上限値に価格を設定し、様子を見るといった手法です。

実際にイベントが開催されたり需要が高まったりすれば、高単価のまま予約が入り高収益につながります。反対に予約が伸びない場合は、チェックインまでの残り日数に応じて小幅な調整で対応しますが、値下げは極力最小限に留めましょう。

大切なのは「とりあえず安くする」という発想を手放すことです。需要が不確かな日でも安易な値下げをせず、予約状況を見ながら柔軟に対応する習慣をつけることで、年間を通じたADRの底上げが期待できます。

価格の見せ方とプラン構成を見直す

提供する宿泊プランの構成や価格の見せ方次第で、宿泊者が選ぶプランは変わります。ADR向上のためには、極端に安いプランばかりを前面に押し出すのは避け、標準プランや上位プランの魅力が伝わる構成を意識しましょう。

その際、まず見直したいのが予約ページ上のプランの表示順です。一番安い素泊まり格安プランではなく、内容充実のスタンダードプランを先頭に置くことで、最初に入る情報をコントロールできます。

また、スタンダードプランの上にワンランク上のプレミアムプランを設けておくことで、「せっかくなら少し良いプランにしよう」という選択肢を自然に提示できます。

朝食付きプランと素泊まりプランの差額をわずかにする、上級客室へのアップグレードプランを手頃な追加料金で提供するといった工夫も有効です。

さらに、各プランの紹介文や写真にも注意を払い、価格に見合った価値が直感的に伝わる表現を心がけましょう。「ラグジュアリープランでは地元ワインボトル付き」など特典を明記したり、高価格プランには豪華な客室写真を使用したり、過去にそのプランを利用したゲストの好評コメントを引用するのも効果的です。

宿泊人数と部屋タイプの組み合わせを最適化する

ホテルのADRを高めるには、販売内容(どのような客層にどのような部屋が売れたのか)に目を配ることが重要です。

まずは、宿泊人数別の販売比率を分析し、収益性の高い組み合わせを戦略的に増やす方法を模索しましょう。

たとえば、1名での宿泊(ビジネス利用や一人旅など)の販売比率を伸ばしたい場合は、「1名限定特典付きプラン」を打ち出してシングルユースを促進する方法が有効です。1室を1名で使ってもらえれば1人あたりの単価は高く、清掃やアメニティ補充の負担も少ないため利益率は上がりやすいでしょう。

2名での宿泊(友人同士・恋人・夫婦など)に向けては、朝食付きや記念日プランなど、2名ならではの特別感を演出したプランを用意することで、素泊まりより単価の高い予約を獲得しやすくなります。

3名以上のファミリー層やグループ旅行には、ファミリールームやコネクティングルーム※の導入・拡充が効果的です。4名まで宿泊できるファミリールームであれば、2部屋に分かれるより割高でも「一家でまとめて泊まれる」という利便性から選ばれやすく、1室あたりの売上上限を引き上げられます。

※ コネクティングルームとは、隣り合う2つの客室が扉でつながっている客室のこと。プライバシーを守りつつも、部屋を簡単に行き来できる点が宿泊者にとってはメリット。

ADRを活用した施策例3選 

ここでは、ADRをホテル運営に活用した施策の具体例を5つ紹介します。

  • 価格戦略の最適化
  • ポジショニングの再設定
  • イベントや季節に応じた料金設定
  • 顧客ロイヤリティの導入
  • フィードバックの収集

価格戦略の最適化

【例①】特定の週末や祝日のADRをアップさせる

特定の週末や祝日にADRが低下している場合には、期間限定の宿泊プランを販売することで、ADRの改善が期待できます。たとえば、「食事+飲み放題付きプラン」や「子ども向けアクティビティ付きプラン」のように、レジャー客層向けにアップセルが狙える商品を販売してみましょう。

【例②】ADRを下げることで平日や閑散期の稼働率を改善する

平日や閑散期の稼働率が低い場合には、ADRを下げる施策を検討します。ただし、単純に既存プランを値下げするだけでは「ただの安売り」となってしまい、ホテルのブランド力が低下につながります。そのため、「早割」「チェックイン19時以降」「部屋タイプおまかせ」など「安い理由があるプラン」を販売するのがおすすめです。

ポジショニングの再設定

【例①】競合施設よりも低いADR設定で「お得感」を出す

同じエリアの競合施設と比較して自施設のADRが低い場合は、無理に単価を上げるのではなく、安く泊まれる「お得なホテル」として売り出すのもひとつの戦略です。アメニティやサービスの簡略化など経費削減を実施することで、低ADRでも利益を確保しやすくなります。ただし、繁忙期やイベント開催時などは、競合に合わせてADRを引き上げることも重要です。

【例②】インバウンド集客を行いADRの安定化を図る

周辺エリアにインバウンド客が多い場合は、積極的な受け入れ態勢を整えることでADRの安定化が図れます。インバウンド客は国内の繁忙期・閑散期にとらわれず滞在する傾向があるため、特に平日の稼働率が低いホテルにとっては有効な方法です。集客が軌道に乗れば、年間を通じてADRを一定水準に保ちやすくなります。

イベントや季節に応じた料金設定

【例①】 年末年始などの価格設定は過去のADRを参考にする

ゴールデンウィーク、お盆、年末年始といった連休の料金設定には、過去の同シーズンのADRとOCCのデータを参考にしましょう。「昨年この時期に何円で何室売れたか」を把握したうえで、収益が最大になる価格を逆算するのです。また、連休前後の稼働率が落ちやすい時期は値下げを行うなど、メリハリのある価格設定で収益全体の底上げを狙えます。

【例②】 周辺での大規模イベント開催時にADRを上げる

周辺エリアで、大規模イベントやコンベンションが予定されている場合、期間中はホテル需要が急増するため、強気の価格設定が有効です。イベントの日程が発表されると同時に、ホテル予約は増加するため、日ごろから付近のイベント情報の収集に努め、収益アップの機会を逃さないようにしましょう。

ADRに関連したよくある質問

ADRに関してよく寄せられる質問をまとめました。OCCやRevPARとの違い、把握する方法など、ホテルの売上管理や料金戦略を理解するうえで知っておきたいポイントを簡潔に解説します。

Q.ADRとは何の略ですか?直訳は?

A.ADRとは「Average Daily Rate」の略で、「客室平均単価」と訳されます。ホテルの客室が平均していくらで販売されているかを示し、料金水準や収益状況を把握するために、ホテル業界で広く使われる基本的な指標です。

Q.ADR・OCC・RevPARの違いは何ですか?

A.ADRは客室1室あたりの平均販売単価を示す指標で、OCCは客室稼働率、RevPARは販売可能客室1室あたりの売上を表します。

たとえば、ADRが高くても稼働率が低い場合は売上が伸びないため、これらの指標を組み合わせて収益状況を総合的に確認することが重要です。

Q.ADRの計算方法は?簡単に調べられる方法はありますか?

A.ADRは「客室売上高 ÷ 販売客室数」で算出します。ここで使う客室数は販売可能な総客室数ではなく、実際に宿泊で利用された客室数である点に注意が必要です。

計算に使用する客室売上高や販売客室数は、PMS(宿泊管理システム)や売上レポートから確認しましょう。

Q.日本のホテルの平均ADRはいくらですか?

A.平均ADRは地域や施設タイプによって大きく異なるため、下記は一例として参照ください。

京都市内における主要ホテルの平均ADRは、2024年時点で約2万195円です(出典:公益社団法人京都市観光協会)。

沖縄県の平均ADRは、シティホテルが約1万5,682円、リゾートホテルが約2万9,031円です(出典:沖縄県振興開発金融公庫)。

コロナ禍後の観光需要回復とインバウンド増加を背景に、全国的に上昇傾向が続いています。

Q. ADRとRevPARはどちらを重視すべきですか?

A.どちらかではなく、目的によって使い分けることが重要です。

ADRは客室単価の水準を把握するのに適しており、価格戦略や競合比較に役立ちます。一方RevPARは空室を含めたホテル全体の収益パフォーマンスを示すため、経営全体の収益状況を評価する際に適しています。

ADRが高くても稼働率が低ければRevPARは下がります。単価と稼働率のバランスを総合的に判断するには、両指標をあわせて確認することが基本です。

Q.ホテルのADRを上げるにはどうしたら良いですか?

A.ADRを高めるには、大きく3つのアプローチが有効です。

第一に、客室の付加価値を高めて「価格に見合う理由」をつくることです。独自の設備やサービスを打ち出すことで、値下げ競争に巻き込まれにくくなります。

第二に、繁忙期・閑散期・曜日別など需要に応じた価格設定を行うことです。

第三に、OTA手数料の負担が少ない自社サイト経由の直販比率を高めることで、実質的なADRを改善できます。

Q.ADRが低い場合はどう改善すれば良いですか?

A.まずは、低ADRの原因を特定することが重要です。

価格設定自体が相場より低い場合は競合調査をもとに見直しを行います。稼働率を優先するあまり値下げが続いている場合は、単純に値下げを行うのではなく、「安い理由のあるプラン(早割・条件付きプランなど)」を設けることでブランドイメージを保ちながら単価を調整できます。

また、高単価の客室タイプや付加価値の高いプランの販売比率を高めることも、ADR全体の底上げに効果的です。

ADRはホテルの売上アップ戦略に欠かせない指標

ADRは、ホテルの売上や料金戦略を考えるうえで欠かせない基本指標です。客室の平均販売単価であるADRを継続的に把握すれば、価格設定が適切かどうかや、収益構造の変化を客観的に確認できます。

さらに、OCC(客室稼働率)やRevPARと組み合わせて分析すれば、単価と稼働のバランスを踏まえた売上改善の方向性も見えてくるでしょう。こうした指標を日々のデータとして活用することが、ホテル経営の収益力向上につながります。

ADRをはじめとする指標を効率よく管理したい場合は、PMSやサイトコントローラーといったホテル管理システムの導入も検討してみてください。

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