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2025.04.02

ホテル・旅館経営

ホテルの開業資金と費用をまとめて解説!資金調達の方法も紹介

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ホテルを開業するには、多額の資金が必要です。土地や建物の取得、内装工事、設備投資などの初期費用に加え、開業後の運転資金も考慮しておく必要があります。

また、ホテル業界はインバウンド需要の増加や市場の変化に影響を受けやすいため、資金計画をしっかりと立てなければなりません。

そこで本記事では、ホテル開業に必要な資金の内訳や相場、資金調達の方法、そして失敗しないための資金計画まで紹介します。

ホテル開業資金の基本

ホテル開業資金の基本

ホテルを開業するには、まとまった資金が必要です。小規模なビジネスホテルであっても1,500万円以上は必要とされ、ゼロから建物を建設する場合は数千万円から数億円規模の資金が求められます。

さらに、大手ホテルブランドのような高級ホテルを開業する場合、その費用は数十億円に達することも珍しくありません。

必要な資金は、ホテルの立地や規模、運営スタイルによって大きく異なります。地方での開業や既存の建物を活用したリノベーション型のホテルであれば、初期費用を抑えることが可能です。

一方、都心の一等地に新築ホテルを建設する場合、土地代や建設費が高額になるため、より多くの資金を準備する必要があります。

これからホテル開業を行うのであれば、開業資金の相場を事前に把握しましょう。

初期費用と運転資金

ホテルを開業するためには、「初期費用」と「運転資金」の両方を準備する必要があります。それぞれの費用相場をホテルタイプ別に紹介します。

【初期費用】

項目費用相場(目安)
物件取得費【シティホテル】30億〜300億円
【ビジネスホテル】6億〜50億円
【リゾートホテル】20億〜60億円
【カプセルホテル】5,000万円~1億円
建築・内装工事費【シティホテル】130~220万円/坪
【ビジネスホテル】100~150万円/坪
【リゾートホテル】250~350万円/坪
【カプセルホテル】30万円/坪
設備・備品購入費【シティホテル】200〜600万/室
【ビジネスホテル】200〜600万/室
【リゾートホテル】200〜600万/室
【カプセルホテル】100〜300万/室
許認可申請費用【シティホテル】30,000円前後
【ビジネスホテル】30,000円前後
【リゾートホテル】30,000円前後
【カプセルホテル】16,000円〜30,000円

※金額は立地・物価・材料費などの諸条件により変動します

初期費用は、物件の購入費や建築・内装工事費、設備や備品の購入費、許認可の申請費用などが含まれます。ホテルの規模や立地によって総額は大きく異なり、数千万円から数億円に及ぶこともあります。

また、新築での開業か、既存物件のリノベーションかによっても金額は大きく変動します。

【運転資金】

項目月額費用相場(目安)
人件費【シティホテル】売上高の約31%
【ビジネスホテル】売上高の約32〜35%
【リゾートホテル】売上高の約32〜34%
【カプセルホテル】売上高の約25%
光熱費売上全体の約10.3%
広告宣伝費売上高の約1.8%
消耗品費売上高の約1.9%

運転資金は、人件費や光熱費、広告宣伝費、消耗品費などが含まれます。

開業直後は知名度が低く、稼働率が低いため、収入が安定しません。ホテル開業後、収益が安定するまでの運転資金も確保する必要があります。最低でも6ヶ月分の運転資金を用意することがおすすめです。

初期費用と運転資金を合計した総資金のうち、自己資金が3分の1以上あることが望ましいとされています。これにより、金融機関からの融資を受けやすくなり、開業後の資金繰りも安定しやすくなります。

施設規模別の費用目安

ホテルの開業費用は、施設の種類や規模、立地条件によって大きく異なります。

一般的に、シティホテルやリゾートホテルは設備やサービスが充実しているため高額になりやすく、ビジネスホテルやカプセルホテルは比較的低コストでの開業が可能です。

各ホテルタイプの特徴や費用目安を把握し、事業計画に役立てましょう。

ホテルタイプ坪あたりの目安単価初期費用の目安
シティホテル約150~200万円約30億円〜
ビジネスホテル約100~150万円約6億円〜
リゾートホテル250~350万円約20億円〜
カプセルホテル約200~300万円約5,000万円〜

※金額は立地など諸条件により変動します

【シティホテル】

  • 都心部に位置することが多く、ビジネス、レジャー、観光など様々な目的で利用される
  • スパ、プール、レストラン、宴会場など多様な共用施設を備えることが多く、計画の難易度が高い
  • 大規模な施設となる傾向があり、初期費用や運転資金が高くなる

【ビジネスホテル】

  • ビジネス利用を目的としており、交通の便が良い場所に位置することが多い
  • 客室はシングルルーム数が多く、アメニティ類など必要最低限に抑えることも可能
  • テナント数も少なく他ホテルと比較して初期費用や運転資金を抑えることができる

【リゾートホテル】

  • リゾート地に位置しており、観光地やビーチなどレジャースポット付近に建設することが多い
  • 家族、カップル、友達などで利用することが多く、ゆったりと過ごせるような広めの客室
  • 非日常感を味わうような華やかな内装や充実した設備で、開業資金は高くなる

【カプセルホテル】

  • 個人用の小型カプセルユニットを多数設置し、限られたスペースを効率的に活用している
  • 1人あたりの使用スペースが小さく、小規模なスペースで運営ができるため、開業資金を抑えられる
  • 少人数のスタッフで効率的な運営が可能で人件費も抑えられる

新築かリノベーションか

ホテルを開業する際、新築とリノベーションのどちらを選択するかで、コストやスケジュール、設計の自由度は大きく異なります。

新築の場合、ゼロから設計できるため、最新の設備導入やブランドイメージに合わせたデザインが可能です。しかし、建設費用が高額で、完成までの工期も長くなるため、初期投資が大きな負担となります。

一方、既存の建物をリノベーションすれば、建設費用を大幅に抑えられるメリットがあります。特に、元々ホテルだった居抜き物件を選べば、水回りの工事費や改装費を最小限に抑えつつ、スピーディーな開業が可能です。

ただし、物件の状態によっては耐震補強や設備更新が必要になることもあり、事前調査を行わなければなりません。

コストと開業スケジュールを考慮し、最適な選択をすることが必要です。

ホテル開業資金の主要項目

ホテル開業資金の主要項目

ホテルを開業するには、多岐にわたる資金が必要になります。

開業資金はホテルの規模や立地によって大きく変動しますが、十分な資金計画を立てることで、スムーズな運営につなげることが可能です。

ホテル開業資金の主要項目を4つにまとめました。

  • 物件取得・改装などの費用
  • 設備・備品などの費用
  • 人件費・広告費などの費用
  • 許認可申請にかかる費用

それぞれ詳しく解説します。

物件取得・改装などの費用

費用項目主な注意点
物件取得費用・都市部では高額になりやすい
・立地選びが重要
建築・改装工事費用・新築の場合数千〜数億円
・リノベーションは耐震補強や水回り工事に注意

【物件取得費用】
物件取得費用とは、ホテルを新築する場合の土地購入費や、リノベーションする場合の既存建物の購入費を指します。特に都市部では土地代が高額になりやすいため、開業コストを抑えるためには立地選びが重要です。
また、元ホテルの居抜き物件を活用すれば、既存の設備を流用できるため、初期費用を削減しやすくなります。

【建築・改装工事費用】
建築・改装工事費用とは、新築の場合の建築費や、リノベーションの場合の改装費を指します。
新築の場合、建築費用はホテルの規模やグレードにより異なりますが、一般的に数千万円〜数億円かかります。目安としては、1室あたり約500万円〜1,500万円程度が相場です。
一方、リノベーションでは、内装や設備の改修に重点を置くため、1室あたり約200万円〜800万円程度で済むケースもあります。ただし、耐震補強や水回り工事が必要な場合、コストは大幅に増加するため、事前の調査が必要です。

設備・備品などの費用

費用項目主な注意点
客室設備費用・ホテルのランク、ターゲットで変動
・高級ホテルは費用が増加
・品質・デザインは顧客満足度と直結
共用部設備費用・ホテルの種類によって異なる
・豪華な施設は高額になる
・最新設備により顧客満足度も向上
ITシステム導入費用・ホテルの運営効率が向上
・顧客サービスの質も向上
・クラウド型が初期費用を抑えられる

【客室設備費用】
客室設備費用は、ベッド、家具、家電、アメニティなど、客室内に必要な設備や備品の購入費用を指します。1室あたりの目安は数十万円から数百万円で、ホテルのランクやターゲットにより大きく変動します。
高級感を演出するための特注家具やデザイン家電を導入する場合、費用は増加します。特に上級ホテルの場合、客室内の設備はゲストの滞在満足度に直結するため、品質やデザインは慎重に選択する必要があります。

【共用部設備費用】
共用部設備費用は、ロビー、レストラン、会議室、ジムなど、ゲストが利用する共用スペースに必要な設備費用です。施設の種類や規模によって異なり、豪華な施設を備える場合には費用が高額になります。
最新のIT機器や音響設備、高品質な家具を導入することで、顧客満足度の向上が期待できます。

【ITシステム導入費用】
ITシステム導入費用は、予約管理システム、顧客管理システム、POSシステムなどの導入費用を含みます。これらのシステムは、ホテルの運営効率を向上させるだけでなく、顧客サービスの質も向上します。
また、クラウド型システムを選ぶことで、初期費用を抑えつつ最新機能を活用できるため、コストパフォーマンスの高い選択肢となります。
他にも、Check Innのような「オールインワンシステム」だと、ホテル運営に必要なシステムが1つになっているため、各システムを別個に導入するよりも費用を抑えられるケースもあります。

人件費・広告費などの費用

費用項目主な注意点
人件費・初期は数ヶ月分の人件費を確保
・人材によってはコストがかかる
広告宣伝費・広告媒体によって費用は異なる
・SNSマーケティングは費用対効果が高い
開業イベント費用・認知度を高める効果が期待できる
・他のホテルとの差別化を図れる

【人件費】
開業準備期間中のスタッフの採用・研修費用や、開業後の人件費が必要です。特に初期段階では、数ヶ月分の人件費を確保しておくことが重要です。これにより、収益が安定するまでの運営を支えることができます。
また、専門性の高い人材を採用する場合、採用コストや給与水準が上昇するため、その点も計画に組み込んでおくことが求められます。

【広告宣伝費】
開業前後の集客を目的とした広告費用も重要です。ウェブサイトによる情報発信、オンライン広告、チラシ作成、PRイベントなど、さまざまな広告手段があります。
広告の媒体によって費用は異なり、数十万円〜数百万円は必要です。ホテルの知名度アップのために必要な経費ですが、現在はさまざまな広告手段があるため「コストを抑えつつ」運用することもできます。
特にSNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングは、費用対効果が高く、ターゲット層にリーチするために有効です。これらの活動を通じて、開業初期の認知度を高め、集客に繋げることが可能です。

▼あわせて読みたい
ホテル・旅館のマーケティング、SNS活用事例について

【開業イベント費用】
開業イベント費用は、開業記念イベントや内覧会の開催にかかる費用が含まれます。地域住民やメディア関係者を招待することで、ホテルの認知度を高める効果が期待できます。
また、地元の文化や特産品を取り入れたイベントを企画することで、地域との連携も強化でき、他のホテルとの差別化を図ることができます。

許認可申請にかかる費用

ホテル開業には、各種許認可の申請が必須です。以下は、代表的な許認可申請にかかる費用の目安です。

許認可申請項目費用の目安
旅館業営業許可申請2万円〜3万円
消防法令適合検査5万円〜30万円
建築基準法関連手続き数万円〜数十万円
飲食店営業許可申請1万円〜5万円
酒類販売業免許3万円

これらの費用は、各自治体や施設の規模により変動しますので、事前に詳細を確認することをおすすめします。

ホテル開業の資金調達方法

ホテル開業の資金調達方法

ホテル開業に必要な資金を調達する方法は、複数あります。ホテル開業の場合、費用が非常に高いため、以下4つが現実的な方法です。

  • 自己資金
  • 金融機関からの融資
  • 投資家からの出資
  • 補助金・助成金の活用

それぞれ詳しく解説します。

自己資金

自己資金は、ホテル開業において非常に重要な役割です。理想的には、開業資金の約3分の1以上を自己資金で賄うことが求められます。これにより、金融機関からの融資を受けやすくなり、融資審査の際の信用力向上にも繋がります。

自己資金としては、個人の貯蓄や親族からの贈与が含まれますが、親族からの借入金は返済義務が伴うため、自己資金とは見なされません。自己資金の額に基づいて、開業規模や運転資金の計画を現実的に立てることが重要です。

十分な自己資金を準備することで、経営の安定化を図り、ホテル開業の確実なスタートを切ることができます。

金融機関からの融資

ホテル開業の資金調達において、金融機関からの融資は重要な選択肢です。

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、創業時の融資に積極的で、一定の条件下では無担保・無保証人で融資を受けることが可能です。

また、各自治体が実施する融資制度も低金利で利用できるため、費用負担を抑えた資金調達が期待できますが、手続きに時間がかかる場合もあります。

一方、銀行や信用金庫からの融資では、過去の事業実績が求められることが多く、新規開業者にとってはハードルが高いです。

投資家からの出資

投資家からの出資は、返済義務がなく、資金調達に柔軟性を提供する方法です。

ベンチャーキャピタル(VC)は将来性のある事業に対して積極的に資金提供を行い、さらに経営支援や広範なネットワークの提供も行います。

また、個人の投資家からの出資もあり、スタートアップ企業に対して資金を提供し、経営アドバイスや人脈を紹介することもあります。出資を受ける場合、返済義務はありませんが、経営権の一部を投資家と共有することになるため、意思決定に影響を及ぼす可能性があります。

補助金・助成金の活用

補助金や助成金は、ホテル開業時の資金調達に役立つ方法ですが、申請には詳細な事業計画書の作成や複雑な手続きが伴い、採用されるまでに時間がかかることがあります。

代表的な補助金としては、以下のものがあります。

補助金・助成金名対象経費補助金額(目安)支給対象
インバウンド受入環境整備高度化事業観光スポットの多言語化、Wi-Fi整備、AIチャットボットの導入補助率1/2等外国人観光客が特に多い、または見込みがある市区町村として指定された地域
持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業自然保護や観光施設整備補助率1/2〜1/3等地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者
東京都 インバウンド対応力強化支援補助金外国からの観光客向けの対応を強化するために行う新規事業の経費補助率1/2東京都内の宿泊施設

出典:観光庁「インバウンド受入環境整備高度化事業」
出典:観光庁「持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備事業」
出典:東京観光財団「インバウンド対応力強化支援補助金」

これら以外にも、ホテル開業や運営に活用できる補助金はいくつもあります。

▼あわせて読みたい
宿泊業向けの補助金とは?申請方法や募集期間について

また、年度ごとに支給条件や内容が変更されるため、最新の情報は自治体や関連団体の公式ウェブサイトで確認することが必要です。
補助金・助成金を利用することで、初期費用の負担を軽減できる可能性があります。

ホテル開業を失敗しないための資金計画

ホテル開業を失敗しないための資金計画

ホテル開業を成功させるためには、資金計画を綿密に立てることが不可欠です。開業資金だけでなく、運転資金や予想外の支出にも対応できる準備が必要です。

自己資金の割合を適切に設定し、金融機関からの融資や補助金の活用を組み合わせることで、安定した経営を目指しましょう。

資金計画を立てるために、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

  • 事業計画や収支シミュレーション
  • 損益分岐点とキャッシュフロー管理
  • 追加投資やリニューアル費用

それぞれ詳しく解説します。

事業計画や収支シミュレーション

ホテル開業を成功させるためには、事業計画と収支シミュレーションを十分に検討することが重要です。

まず、開業予定地の市場調査を行い、競合の状況や需要動向を分析することで、ターゲット顧客層を明確にします。そうすることで、収益予測の精度を高めることが可能です。

次に、初期投資額、固定費、変動費、売上予測を細かく算出し、資金繰りの見通しを立てます。また、楽観・悲観シナリオを想定し、それぞれの状況における収支シミュレーションを行うことで、リスクへの対応策を事前に検討できます。

損益分岐点とキャッシュフロー管理

ホテル経営で正しい判断をするためには、損益分岐点を分析することが重要です。固定費と変動費を分け、損益分岐点売上高を算出することで、最低限必要な売上目標を明確にすることができます。

しかし、利益が出ていても資金不足に陥る可能性があるため、月次のキャッシュフロー予測を行い、資金繰りを確実に管理することが不可欠です。

また、融資の返済スケジュールとキャッシュフロー計画を照らし合わせ、無理のない返済計画を策定しましょう。

追加投資やリニューアル費用

ホテルの設備や内装には耐用年数があり、計画的な更新やリニューアルが求められます。老朽化した設備の放置は顧客満足度の低下につながるため、適切なタイミングでの修繕や改装が必要です。

開業時からリニューアル費用を積み立てることで、資金不足を防ぎ、将来的な大規模修繕にも対応しやすくなります。

また、顧客ニーズや市場トレンドを定期的に分析し、必要に応じて設備やサービスの改善投資を行うことで、競争力と収益性を維持できます。

ホテル開業には資金の正しい見極めが重要

ホテル開業には資金の正しい見極めが重要

ホテルを開業し、安定した運営を続けるには、資金の正しい見極めが重要です。初期投資だけでなく、運転資金やリニューアル費用などを考慮し、長期的な視点で資金を管理していく必要があります。

さらに、税務・保険・IT・サステナビリティ・人材確保など、多角的な視点が求められます。融資の他にも、補助金、助成金、フランチャイズ契約などの選択肢を比較検討しましょう。

中長期的なキャッシュフローを考えながら、持続可能なホテル経営を目指してください。

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